回転三角UFOの謎解き




はじめ、この映像のコマ送り画像を見て、「なっ、なんじゃこりゃー」状態であった。

今まで見てきた映像のコマは、その前のコマのよすがを残すか、回転したとしても立体に直したときの姿が推測できたものであった。ところが、このケースは一見推測不可能の気がした。画像が大きく鮮明であるだけになおのこと、解明すべきものとして現れていることは紛れもないのだが、私にとってそれがとてつもないストレスになっている気がした。

一見すれば、妖怪変化。何かの尻尾に見える。三角にいつまでも化けきれずについに正体をあらわしたか狐、狸め。あんまり高速回転したから、自分で目を回して、術が続かなかったに違いない。懸命に三角に戻ろうとして、形も砕けかかっているといった感じだ。いっぽんだたらの妖怪、天狗の鼻隠せず、いやいや狐狸なら、最も身近な、妖怪とも言えぬ愛嬌ある妖怪だ。



いや画像のような写真はどこかで見た。そう。宇宙空間にいて、宇宙船から撮影された未知の物体で宇宙生命ではないかとされたものだ。クリッターと名づけられていた。それは宇宙では赤みがかった発光体であり、形を自由に変えるということだ。これが地球上の自然界にいたりすれば、妖怪というものになるに違いない。

妖怪は一定のフォームを持っているから、それによって近似的な名前がつけられ、その性質がどうであるか記載される。

その点、クリッターは無形である。無形の宇宙妖怪ということになろうか。だが、その海蛍のような愛らしさから、妖怪というより、宇宙生命体と位置づけされている。

それがおそらくは地上に降りてきて、自然界に棲むようになってから、形である必要性を見出したのだろう。宇宙空間で比較対照するものとは、丸い星、光、彗星、隕石などである。(隕石の姿をしたUFOもあった。それもコロコロ飛んでいたよなあ)

ところが、地球上では、何でもかんでも名前がつき、それで識別されている。それを重要視する人間という種族がいるのだ。これに取り入るためには、形を持たねばならない。フォームが要求されるのだ。

そのようなとき、この種族(単体かもしれない)が目をつけたのが、UFOを撮影しているグループだった。この連中は、目に見えないにもかかわらず、空に信号を出し、期待のまなざしで、ひたすら機材に写り込むのを待っていた。彼らは、写り込むものなら、影のようなものにさえ意義を与えていたから組みしやすいと考えた。

この人間たちなら、自分たちの存在をアピールでき、そして彼らがテレビに出た暁には、自分たちを他の人間たちに知らせてくれ、やがて地上の生命体として、名前をつけ、存在を認めてくれる可能性がある。

こうして、この種族は、撮影グループが最も関心を寄せている事柄の中から、自分たちの擬態できる対象を見つけて、そのままずばりとなって機材に写り込もうと図ったのだった。

以上が私の推測するこの生き物の写り込んだ動機である。とんだSFファンタジーであったろうか。

だが、正気に返ってよく見れば、これはほんらい立体であって、カメラ側に向けた側面を見せているわけである。

立体が平面として写るのが写真。それを意識してこの一連の映像写真をよく見れば、三角形とブーメラン型のほぼ交互の出現であることが分かる。ただ、どうして三角がブーメランになるのか。逆がまた起きるのか、が謎なのである。そのような立体がいったいこの世にあるのだろうか。また途中のコマでその物体は薄っぺらくなっているから、まともな立体とも言いにくい。

1/8000のシャッタースピードだから、瞬間瞬間の形は間延びなどなく、ちゃんと記録されていて、それがいまここに挙げられている。

だから、コマが変わる一瞬のうちに、ブーメランの広がりをすぼめたり広げたりして運動しているようなことになろうか。そのような物体とは、地球上で知られた生命体の中にはまずいない。

しかも、薄っぺらなものが面を向けている方向、つまり面に垂直方向に飛んでいるのであって、ブーメランが飛ぶべき水平方向に飛んでいるわけでもないのだ。航空力学的にもおかしい。

だから、これは純然たるUFO(未確認新生物(宇宙生命体を含む)を含む)であるとほぼ断定できるわけだ。

もし立体と考えず、平面だけのものとしたなら、これは見たこともない妖怪変化でしかない。それでよしとしておきたいところだが、それでは我々の撮っていたものは妖怪ばかりなのかという話になってしまう。我々はUFO撮影家であって、妖怪撮影はその中に含むとしても、本命探査をおろそかにできないのだ。

私の時空論が正しいものとして仮定するなら、これはやはりあの四角錘のUFOであって、この世界の観測界面(ものひも)を自分の船体の任意の位置に持ってくることによって、外から観測される部分を観測界面の切断面にしていると考えられる。

このときの観測界面とは、UFOが回りに張り巡らせている異時空のバリアーがこの時空と接する面をいう。バリアーに包まれた状態のことを、古語で「マドコオフフスマ」という。そしてその状態のUFOのことを、「マナシカツマの小船」という。
このバリアーをUFOの外に張るのでなく、一部中に引き込んだ状態で飛んだとすれば、見かけ上UFOがそれによって切断された格好になる。しかも、バリアーをややランダムに拡縮させている。だから、その外にあるUFOの任意の部位が界面に切り取られた形でカメラに収められたというわけだ。

なぜ今回このようなややこしい形で飛んだのだろう。たぶんそれは、君たちの相手にしているのは妖怪の類だ。ショックを受けて立ち直れないなら、これ以上の詮索はやめておけという警告であると同時に、この謎が解明できたなら、次のステップに入らせてやろうのココロではないかと、私は身勝手にもインスピレーションしたのであった。

奥人


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